32. 余滴 「寄り添う」

 

高一で洗礼を受けた時、記念にと一枚の絵をもらいました。ジョルジュ・ルオーが描いた『聖顔』と題されるキリストの顔の絵です。絵の裏にはその人の字で「エッヶ・ホモ(この人を見よ)」と書かれていました。憂いに満ちたイエスの顔の表情が好きで机の前に張ってよく眺めていたものです。

しかしルオーは次第に人々の生活の中にいるキリストを描くようになります。その一つに『郊外(場末と訳すべきでしょう))のキリスト』があります。真夜中の街はずれの路上で行くあてがないのか、泊まる宿も見つからないのか、立ち尽くしている二人の姿(夫婦かそれとも親子か)、そのそばに寄り添うように立っている一人の人。その人物は二人よりずっと大きな姿で描かれています。いったい誰なのか?

クリスマスが近づくにつれて『聖顔』ではなく、この絵を思いだします。あの夜、泊まる場所もなかったヨセフとマリア、その二人のそばに寄り添っていた人が確かにいたのです。「その名はインマヌエル(神われらと共にいましたもう)」

クリスマス前、八重洲のブリジストン美術館にあるこの絵を見に行ったところ、なんと建物は改築のため工事中!「郊外のキリスト」がここに戻って来るのは大分先とのこと。でも、こんな超近代的なビルの中の美術館に展示するより、場末の場所に置いておくほうがよほど似合っていると思うのですが。

          マタイによる福音書935節~

 

 

 

大都会の小さな教会

 目白通りを一本入った閑静な住宅地に、芝生の生い茂った暖かい教会があります。

 信仰に導かれて長い間この教会を支えて来られた年配の方々、またその方たちを心のよりどころとする若い仲間たち。ここには明るい笑顔に包まれた「神の家族」があります。

「家庭的なぬくもりを感じますね」と、新しく来られた方々からよく言われます。

 これからもこの地域に根ざした、愛と希望に満ちた教会形成に励んで参ります。

 

「二人または三人が私の名によって集まるところには、私もその中にいるのである」<マタイ18:20>

 

どうぞどなたでもご自由に教会をお訪ねください。